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変わる世界で、その手は、何をつかむのか

SOLUTION01

カーボンニュートラル
実現に向け、
はじまる新市場の創造

鉄鋼ビジネスを通じ、社会課題の解決により高い価値を提供する企業を目指すSCGM。2050年カーボンニュートラル実現に向けたさまざまな活動もその一環である。なかでも現在注力しているのは、「CO2排出量可視化」、「グリーンスチール・サプライチェーン構築」「浮体式洋上風力発電のサプライチェーン形成」だ。これらはまだ誰もその正解や実現方法を見出せていない分野であるがゆえに、新たな課題が次々と立ち現れる困難なチャレンジである。
SCGMでその困難なチャレンジに立ち向かう3名の社員の話のもと、カーボンニュートラル実現への道筋を追った。

PROFILE基幹職

鋼材事業企画部 鋼材事業企画第二チーム

福永 智典

SCGMのエネルギッシュな社員たちに魅力を感じ、2005年に入社。海外薄板半製品トレード事業部を経て、2年間ブラジル・サンパウロでの営業トレイニーを経験。その後、薄板事業部で国内向け薄板トレードを担当。2020年より現部署にて主にコイルセンター向け業績管理を担当。その一方、社内ワーキンググループの「CO2排出量可視化」の活動に携わる。

PROFILE基幹職

海外薄板事業第一部 海外薄板第一チーム

須藤 悠平

海外志向が強かったこと、人=商材である商社の仕事に惹かれて、2009年に入社。入社以来、ステンレス、チタン、ブリキ、薄板3品のトレードを担当。2015年末から2年間、ドバイの中東住友商事にトレイニーとしての赴任も経験。現在はマレーシアのコイルセンターを担当。その一方、社内ワーキンググループの「グリーンスチール・サプライチェーン構築」の活動に携わる。

PROFILE基幹職

厚板建材事業部 事業開発チーム

山下 泰弘

鉄鋼商社、ベンチャー企業、非鉄商社などを経て、2022年に事業開発に挑戦できることに魅力を感じたSCGMにキャリア入社。現在、着床式・浮体式洋上風力発電基礎構造物に関する事業検討に従事。業界全体さらには国にも働きかけながら、まさにゼロから新しい産業、新しい事業の創出に挑む醍醐味を味わっている。

※掲載内容は、インタビュー当時のものです。

ISSUE 01

部門別CO2排出量の内訳(電気・熱配分後)

CO2排出量が産業部門の4割超を占める鉄鋼業界をどう変えていくか。

そもそも、現在の自分たちの活動でどれくらいのCO2を排出しているのかわからなければ、CO2排出量削減の目標設定もできず、その効果も定められない。そこでSCGMが取り組んでいるのがCO2排出量可視化だ。現在SCGMグループにおけるCO2排出量を算出するプロジェクトを推進中であり、算出した数値は第三者の認証を取得したうえでWebサイト上に公表する予定である。しかしそれは決して簡単なことではない。「SCGM単体でも事業会社ごとでも、電気代や輸送代など算出対象の各項目の管理方法が統一されていないため、同一の国際基準に落とし込む作業だけでも困難なのです。しかしそれを乗り越えなければサプライチェーン全体でのCO2削減実現も見えてきません」と福永は語る。
また同時に、温室効果ガスを極力発生しない方法で製造された鉄の「グリーンスチール・サプライチェーン構築」にも注力している。日本の産業部門のなかで鉄鋼業からのCO2排出量は約36.7%を占め、日本の総排出量の約12.5%にのぼる。そのためグリーンスチール・サプライチェーン構築の効果の大きさははかり知れない。だがここにも困難な壁が立ちはだかる。「巨額投資の必要性、製品へのコスト転化の問題、最適な脱炭素化に向けた技術革新の必要性……。大きな課題が山積していますが、そこに当社が貢献できる可能性があり、またビジネスチャンスも比例して大きいと考えています」と須藤は力強く語る。

部門別CO2排出量の内訳(電気・熱配分後)

ISSUE 02

まだ世の中にない、
浮体式洋上風力発電の
市場を創造するために。

カーボンニュートラル実現に向けて、CO2を排出しない再生可能エネルギーの主力電源化が求められている。そのなかでも洋上風力発電は、領海含む排他的経済水域では世界第6位の広さの海域を保有している日本において、有望な再生エネルギー電源の一つだ。洋上風力発電には着床式と浮体式がある。そのうち着床式は遠浅の海域が広いヨーロッパで設置が進んでいる。しかし、遠浅の海域の少ない日本では着床式の設置が難しいことから、水深の深い海域に適した浮体式がより重要となる。そこでSCGMが挑んでいるのが、「浮体式洋上風力発電のサプライチェーン形成」である。
そんななか最も困難な壁は、浮体式洋上風力発電に関して、現時点では商業規模で市場が存在していないことだ。しかし困難であるからこそ、その挑戦は国や産業全体への貢献はもちろん、SCGMとしての新しい事業創出につながっていく。
「現在SCGMはゼロから市場を立ち上げるべく、仮説をもとに当社自身が主体的に仕掛けて、産・官・学・地方自治体の橋渡しを行い、産業政策やプレイヤーの連携を後押しするところから取り組んでいます。そんななか、国や産業全体への貢献を第一に取り組みつつ、当社としてのマネタイズも追求していく必要があると考えています」と山下は今後を見据える。

これらの
課題を克服した先に
SCGMが描く
未来図とは。

SOLUTION

他に先駆けた取り組みで脱炭素をリードし、
業界全体そして国への貢献を実現していく。

SCGMの強みは、サプライチェーン全体を俯瞰できることだ。福永は言う。「当社グループで『CO2排出量可視化』を推進し、それらの成果を、サプライチェーンのなかにいるお客さまやメーカーに伝播していくことが、サプライチェーン全体でのCO2削減の推進力になっていく。またそれが当社の付加価値向上にもつながっていきます」。
一方、「グリーンスチール・サプライチェーン構築」においても、「鉄鋼製品を実際に使用する需要家と接している当社だからこその強みがある」と須藤は言う。「需要家が何を考え、何を必要としているのかが把握できるため、それらを勘案したうえで最適なサプライチェーン構築を推進していくことができるのです。そんななか住友商事グループの総合力を活用しながら、グリーンスチールの製造コストや技術の最適解、プレミアム負担(※)の仕組みづくりなどを実現していこうと考えています」。
また、山下は未来を見据えて語る。「日本国内で『浮体式洋上風力発電のサプライチェーン』が確立できれば、日本からの輸出産業として、世界市場で活躍できる可能性も大きい。そこでもSCGMとして新しい輸出産業創出へ向けて力を発揮していこうと考えています」。
SCGMが目指す姿は、脱炭素におけるパイオニア的存在。その先にSCGMが描くカーボンニュートラルの未来図がある。

(※)プレミアム負担:グリーンスチールを製造するうえで必要になるコストを、売価に対して一定金額上乗せすること。

COLUMN

事務職

線材特殊鋼鋳鍛事業部
線材特殊鋼チーム

藤野 理恵

同じ部署の仲間たちが世界中で日々奮闘しているのを横目に、自分自身も何か新たに挑戦できないかと考えていました。そんななか、気候変動ビジネス創出ワーキンググループの設立を知り、参加を決意。現在は通常業務の傍ら、SCGMのカーボンニュートラル達成の基本となるCO2排出量の算定・可視化に取り組んでいます。行動を起こせばその輪は広がることを信じ、サステナブルな社会構築に少しでも貢献したいと思っています。

基幹職

海外薄板事業第二部 電磁鋼板チーム

松岡 慶

EVのモーターに使用される無方向性電磁鋼板の需要が昨今、急激に伸びています。こうした環境規制などに伴って生まれる新しい市場への取り組みを加速させるために組織体制が変わるなど、日々、社会の変化を感じながら仕事をしています。2022年に入社して以降、トレードビジネスの業務を行っていますが、今後は自身も新しい取り組みに関わり、次世代のSCGMを支えるビジネスをつくっていきたいです。

※掲載内容は、インタビュー当時のものです。